14話のレムナント-獣人オメガバース-
唐突に訪れた発情期により結ばれたカイとルアードの尻拭いの為、数日間休みなく働かされたジュダ。
解放され、さあ別宅にこもろう! とダートを半ば強引に連れて行こうとします。
深い愛、そして並々ならぬ包容力と漢気を見せたダート。
本邸では、ダートが連れ去られたことにジュダが気付きますが、果たして無事に見つけ出すことができるのか!?
と、いうところで次話へと続いていました。
どうなってしまうのかと悶えながら待った15話が、いよいよ配信開始!
レムナント-獣人オメガバース-15話ネタバレ
トネリア卿の真意
息を切らしながらトネリア卿の自室へと飛び込んだジュダ。
ダートの居所を問い詰めますが、当然、トネリア卿は何も知りません。
ダートが消えたことを知り、勝手に出て行ったのだろう、と吐き捨てるトネリア。
しかしジュダは、ありえないと即座に否定します。
そんなジュダがジュダの父親のようだった、とトネリアは言います。
夢中になり、まるで言いなりのようだったと父親を揶揄されたジュダは反発し喰ってかかります。
ここで、ジュダの父母の回想シーンが。
ジュダの父親と母親が寄り添う姿を、若きトネリアが見ています。
すると、ジュダの母親と目が合い―――……。
トネリアは、不服そうに赤面していました。
こ、これは、トネリアもジュダの母親に少なからず惹かれていたということでしょうか。
「外から来たオメガ」を嫌忌し、番という絆を否定し続けるトネリア。
そこには、己が手に入れられなかったものへの未練が、絡んでいるのかも知れませんね。
予想外のことでしたが、ジュダの母親は美しく聡明であり、かつ朗らかさも併せ持っているオメガだったようですので、他人のものとわかっていてなお好きになるのは仕方がないのかも。
しかしトネリアは、そんな自分の感情を否定するように、オメガという存在を拒絶します。
傲慢でおろかな生き物だ、と激昂しました。
その様子に、ジュダは、オメガを恐れているのかと問い掛けます。
それからは、オメガを否定するトネリアと、オメガを尊重するジュダとの間で言葉の応酬です。
トネリアはすっかり興奮し、咳き込んでしまう始末。
反対に、ジュダはいたって冷静です。
トネリアの「オメガに支配されている」という意見も、ある意味では間違いではないと言います。
「愛する者には全てを捧げ、守りぬく」
「あいつの為なら何でもする」
それは、狼の本能。
ジュダは狼の獣人です。
狼は、己の選んだただ一匹を伴侶として生涯を送ります。
ダートを愛し、守ることは何もおかしなことではないと、ジュダは言い切りました。
トネリアは、最早ジュダを説得することは諦めたようです。
場面は変わって、トネリアの屋敷から戻ったジュダをバロンが出迎えます。
しかし、ダートの居場所はわからず仕舞い。
トネリア卿が何の情報も持っていないことも、ジュダはわかったようでした。
こうなると誰の仕業かもわかりません。
そこへバロンは、躊躇いながらも「ダートが自分の意志で出て行った」可能性を指摘します。
そんなバロンをひと睨みするジュダ。
さらにバロンは恐縮しつつ、とうとうダートの秘密をジュダに告げたのです。
妊娠出来ない?
驚くジュダでしたが、思い当たることがあってダートの部屋のチェストを引き出しました。
そこには、発情誘発剤が。
ある時は「抱いて」と求め、ある時は「俺じゃダメだ」と拒む。
これまでのダートの不安定さを思い出し、胸がいやな音を立てます。
ジュダはダートの苦しみに気付くことなく、嫌味すら言っていました。
自分が追い詰めたと自身を責めるジュダ。
もしもダートが自ら離れて行ったのであれば、追いかけるべきではないのかと葛藤します。
そして母の言葉を胸に、動き始めるジュダ
ジュダには以前、番になりたいと思ったオメガを捜し出し、追い詰めてしまったという過去があります。
また失うことを恐れ、動けなくなるジュダ。
そこへ、いつかの母の「愛」に対する言葉が蘇ります。
それは幼い日にジュダが聞かされた母の教え。
その言葉で、ジュダは迷いを捨てました。
時は夕暮れ。
山中をさまよい歩くダート。
あの日から何日経ったかもわかりません。
ダートはすっかり衰弱していました。
今夜も野宿かとそう思った矢先、馬車の音が耳に届きます。
ややして目の前に止まる馬車。
そこから降りてきた男に、思わずダートは助けを求めます。
しかし、なぜか馬車からは、男たちがぞろぞろと降りて来ました。
卑しい笑みを貼りつけた男たちは、弱り切ったダートに襲い掛かります。
ですが、ダートはすでにジュダと番った身。
番以外の人間に肌をまさぐられ、激しい拒絶反応が起きます。
身体を震わせながら嘔吐する姿に、ダートが番持ちであることを知る男たち。
『訳アリ』と判断した彼らは、面倒に巻き込まれないうちにと、さっさと退散してしまいました。
以前にも、育ての親だった神父にダートは襲われたことがあります。
その時はジュダが助けに来てくれ、ダートの身体を「俺のものだ」と宣言していました。
その声を思い出し、ジュダの印が残っていることに安堵したダートは、ひと筋の涙を零して気を失ってしまいます。
ダートの意識は、深い海の底のように、暗い場所へと沈んで行きます。
何も見えない暗闇に横たわるダート。
そこへゆっくりと近付いて行く獣人の姿。
下半身だけしか描かれていませんが、これは…ジュダでしょうか。
次の瞬間、場面が明るくなり、ダートの意識から現実の山奥へと引き戻されます。
そこには、荒く呼吸する獣人が。
大きな手が、襲われたまま意識を失っているダートに伸びます。
あああ、やっと来た……!
ジュダは愛おしそうに、しっかりとダートを抱き締めたのでした。
レムナント~獣人オメガース~15話の感想
来る……きっと来る……! 予想していたけど心の底からホッとした
遅いよ! でも来てくれてありがとう……!!
そう感謝せずにはいられません。
最早気持ちは、娘(息子)を見守る親の気持ち。
ちんたらしてるんじゃない、早くダートを助けに行け!
と何度ジュダの尻を叩いてやりたいと思ったことか。
でもいい……見つけてくれたんだからいい……号泣。
あとはダートが無事に意識を取り戻すか、ですね。
何しろ数日間も飲まず喰わずで山中をさまよっていたわけですから、すぐに元気を取り戻すことはないでしょう。
これで二人の試練は終わったと、私は思います。
ダートが妊娠出来ないという問題は残っていますが、二人は正真正銘、身も心も結ばれたわけですから、どんな批判があろうとジュダはダートを守りきるでしょう。
しかし、トネリア卿がジュダの母親に惹かれていたというのは、意外な事実でした。
だからあれほどまでに、カイやダートを煙たがったんですね。
強過ぎる羨望は、ときに憎しみを生んでしまうものです。
そういう意味では、トネリアもオメガという存在に支配されているのかも知れませんね。
次話では、おそらくダートに危害を加えた者達を粛清するのではと思います。
以前にダートを襲った神父を、ジュダは半殺しにしていますから(たくさん蹴ったり殴ったりしていたので)、番を死ぬような目に遭わせた人間を許しはしないでしょう。
また、薬の副作用により止まったままのダートの発情期についても、ある程度の道筋が見えるようになってくれればと思います。
ここまでダートが苦しみ続けたレムナント。
次こそ、甘々な二人が見られますようにと祈りながら、次話を待ちたいと思います。