『本当にあった笑える話Pinky』に掲載されている『不浄を拭うひと』9話と10話を収録した5巻のネタバレと感想です。
●前回のあらすじ
久しぶりに先輩の長井と会う山田。
長井にかけられた言葉を忘れられないと語り始めます。
壮絶極まりない職。
特殊清掃を始めた頃、孤独死した人を「気の毒だ」と思っていた山田でした。
そこで先輩の長井が、
「孤独死した人は、自分が孤独死するとは思っていない」
「俺たちが思うほどひどい生活をしていたわけじゃない」
と語ります。
「彼らは人間として人生をまっとうした。」
という、この先輩の言葉に山田はやる気になったのでした。
「不浄を拭うひと」5巻のネタバレとあらすじ
第9話
「死んだ人のニオイはどんなニオイか?」
そんなことを聞かれた山田。
たとえるなら
海産物が腐ったニオイに近い・・・。
そのように山田は答えます。
しかし、まれにニオイのしない現場にいくこともあるという山田。
ある日、依頼を受けて現場に向かうと、そこにパトカーが止まっていました。
パトカーが止まっていることに疑問を感じた山田。
中には入らないでと注意を受けますが、清掃を頼まれてきたと説明します。
依頼主の男性・Dさんの話をすると、警察はこう答えます。
Dさんが亡くなったと。
どういうこと!?
驚きを隠せない山田。
どうやらDさんは自殺したらしく、自分の死んだ後の清掃をお願いしていたと気づきます。
Dさんはオムツをはき、レジャーシートの上で自殺をしたらしい。
理由はニオイを抑えるためだったようです。
山田にとって印象に残ったこの依頼。
さらにもうひとつ印象的な依頼がありました。
奥さんが精神をわずらっている70代の夫婦。
ダンナさんがフビンに思い心中してしまいます。
それを発見したのは夫婦の息子。
彼は家の物をすべて処分してほしいと希望しました。
息子は両親のことを嫌っており、明らかに不機嫌な態度をとります。
そんな中、自分の両親のことをひとり言のように話し出す息子。
亡くなる前に母から電話があったことを打ち明けました。
いつものようにいい合いをしていましたが、その日は初めて謝ってきたと言います。
そして、次の日帰ってみると両親が心中をしていて・・・。
「やっと終わったか」
という気持ちなったという息子。
後日、家が取り壊された跡地を見つめる息子の姿がありました。
どんな思いで見つめているのだろう。
山田はそう考えます。
そして、山田はこうも考えました。
人はやり直すことができる。
だから、息子にも自らの人生をやり直してほしいと。
第10話
特殊清掃の依頼は真夏になっても絶えることはありません。
真夏の室内の温度は・・・50℃オーバー。
特殊清掃作業中は、ニオイをもらさないために喚起をしてはいけません。
同じくエアコンもダメ・・・。
(こんな時はさわやかなことを考えよう)
暑さを紛らわすため、山田は先月のできごとを思い出します。
亡くなったのは60代の男性。
奥さんが亡くなってから何もできなくなってしまい、家はゴミ屋敷となっていました。
トイレには流せないほどの排せつ物が・・・。
こういう時はスコップを使って、ゴミ袋にいれて捨てます。
作業を始める山田は、何かに気がつきます。
(これは・・・)
夏の暑い日。
おばあちゃんに呼ばれる山田。
畑の前でスイカを食べます。
夏の畑のニオイ・・・。
作業中、夏の畑と同じニオイがしたことに、山田は気づいたのです。
さらに排せつ物には花が咲いていました。
これがきっかけで山田は、おばあちゃんとの思い出に浸るのです。。。
作業が完了した山田は、楽しみにしていたあの場所へ。
「サウナの水風呂は最高だよな」
フルーツ牛乳を飲み満足気な山田。
彼にとって一般人からすると想像を絶する職務の後のサウナは、彼のささやかな癒やしと喜びのひとつなのでした。
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「不浄を拭うひと」5巻の感想
同時に両親をなくした息子の気持ちは計り知れないですね。。
嫌っていたはずでしたが、両親の家の跡地を見つめる息子をみて、本当は嫌ってなんかいないと感じました。
山田の考えていたように自分の人生を取り戻して欲しいと切に願います。
夏の畑を思い出した話はやはり、、特殊すぎると言いますか、共感を得るのはかなり難しいですよね。
あきらかに理解をこえていました。
日々、淡々と過ごしている私達の日常に、このように特殊清掃という形で勤務される方の苦労は計り知れません。
特殊清掃ならではのエピソードって、本当にすごいです。。