死んだ人が天国か地獄へ行く前に訪れる場所である死役所。
主人公で総合案内人であるシ村は、セールスマンのような営業スマイルで死んだ人たちを死因によって様々な課へ案内していきます。
今回はその死役所の中の、ちょっと悲しく切ないお話「あしたのわたし」のネタバレを紹介したいと思います。
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死役所3~4条「あしたのわたし」ネタバレ
死役所にて営業スマイルで案内をするシ村のところへ他殺課のイシ間が現れ、シ村に挨拶をします。
死役所には様々な課が存在し、イシ間の所属する他殺課の他、癌死課、自殺課、老衰課、死産課など様々です。
そんな中、年功序列に死するのはいいが、年端も行かない子供が亡くなる事をイシ間は嘆きます。
シ村は冗談を言いながら、作ったような笑顔を返しました。
その後イシ間は、自殺課のニシ川とすれ違いました。
シ村が忙しそうにしているのを見て、ニシ川は感心しています。
しかしイシ間は、シ村が望んで一番忙しい総合案内になった事を教えてくれたのです。
場面は変わり何処かの保育園へ。
先生と遊びたい園児たちでしたが、先生は忙しくしていました。
そこで園児の1人である凛ちゃんは、お気に入りの絵本を持ちながら、先生の手伝いを提案するような心優しい園児でした。
そんな中、外で雪が降り、園児のみんなははしゃぎ始めます。
走り出した男の子がぶつかり、凛ちゃんは転倒したため、凛ちゃんの怪我の手当をしてあげます。
その時、先生は凛ちゃんの首に傷がある事に気が付きました。
その不審な場所の傷の事を凛ちゃんに聞いても転んだと言うばかりでした。。
傷の場所に違和感を覚えた先生は、お母さんの事を聞くと
「お母さん優しいよ」
と凛ちゃんは答えたのです。
その後、担任の先生は、同僚の先生に凛ちゃんの事を相談します。
凛ちゃんが同じ服を着ていたり、フケでいっぱいだったり、お母さんが入園式でも二日酔いで来ない事に虐待の可能性を心配しています。
そこで今度凛ちゃんの家を訪ねようと話し合いました。
その頃、凛ちゃんは自分で持っていた鍵で玄関を開け、帰宅しました。
そのゴミだらけの家ではお母さんが布団で寝ていました。
凛ちゃんは『あしたのわたし』と言う本を声を出して読んでいると、お母さんは「うるさい!」とヒステリックに怒り出しました。
そのため離れた所で本を読んだ凛ちゃんでしたが、お母さんはそれでも気に入らないようで怒って時計を投げつけてきました。
更に怒ったお母さんは凛ちゃんをベランダへ。
そして、寒い中凛ちゃんをベランダへ置いたまま鍵を掛けてしまったのです。
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ちゃんは寒さに凍えながら、お母さんに買って貰った本である『あしたのあたし』を読んでいます。
その時アパートの下に先生たちの姿が見えて凛ちゃんは隠れました。
こんな状態でもお母さんの心配をする凛ちゃん。
誰も出ない為、先生たちが帰るとそれを見てほっとしたのでした。
その後も凛ちゃんは、ベランダのまま震えています。
お母さんは見にくるも凛ちゃんがおもらしをしていた為に、更にベランダに置き去りに…。
そして冷えたベランダで凛ちゃんは優しかったお母さんの思い出を思い出しながら「お母さん大好き…」とつぶやいたのです。
その後、凛ちゃんは死役所へ。
小さい女の子が他殺課に来たため、イシ間は驚きます。
自分が死んだことにもお母さんに虐待されていたことにも気づかず、ただひたすらに母親を慕っている凛ちゃんの姿に涙を流すイシ間。
これだから子供相手は嫌なんだと、流れる涙を止められません。
そんなイシ間を見てシ村は、老衰課に移動願いを出したらどうかと提案するのでした。
手続きを済ませ、凛ちゃん送り出すと
「わかった、ありがとう」
と言って凛ちゃんは走り去っていきました。
イシ間は、あんなに虐待されていたのにそれでも母親を慕っているのは「愛」なんだろうか、と首を傾げています。
それに対してシ村は、それはただの洗脳だ、とはっきりと断言するのでした。
その後、凛ちゃんのお葬式の場面へ。
凛ちゃんの母親は全く反省せずに凛ちゃんの悪口を言って、今の彼氏にイチャイチャしています。
それを見て怒りで耐えられなくなった保育園の先生は母親の顔を強烈にビンタしました。
「人殺し!人殺し!」と連呼しながら泣いて叫ぶ先生。
これに対して母親が逆上したところに刑事が現れ、凛ちゃん殺害容疑でお母さんは逮捕されました。
向かいのアパートに目撃者がいたということでした。
その頃、シ村とイシ間は今回に事件について話しています。
お母さんが死役所の職員になるんじゃないか、という可能性を話す2人。
そしてシ村は、死刑にならないと死役所の職員になれないからですね、との意味深な言葉を呟きました。
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死役所「あしたのわたし」感想と考察
もう、心が痛くなる、切なくなるお話です。
小さい凛ちゃんは虐待死になった事も気付かずに、死へと旅経って行きました。
考えようによっては幸せにも見えるのですが、やっぱりやるせないです。
昨今の巷の事件やニュースを見聞きしているから、なおさら切なくて胸が苦しくなる話でした。
虐待されていても母親を慕う子供に対して、「それは愛ではなく洗脳だ」と言い切るシ村の表情は、何か鬼気迫るものが有りました。
冷ややかな営業スマイルのシ村は、影があり謎を持っているような気がしましたが、死役所の職員は皆死刑囚との事なので、掘り下げると悲しい過去がありそうな予感です。
それぞれ死役所の職員たちは、はたしてどんな罪を持って死役所に来たのでしょうか。。。?